しまうまのメモ帳

知的かつ霊的なスノッブであると同時に人類の味方でもある道、オタク的な世捨て人であると同時に正義を求める闘士でもある道を求めて

はじめに

日々の生活のなかで興味を抱いたことや、いまだ一つの考えにまとまらない頭のなかのぐじゃぐじゃを、そのまま吐き出すように記していきます。 なお、とくにことわることなく内容の変更や削除をおこなうことがありますが、ご了承ください。

竹田青嗣の現象学解釈を検証する (1)

これまで、「竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く」というタイトルのもとで議論をおこなってきましたが、そこでわたくしがかねてより竹田現象学に対して抱いていた疑問の一端をごく簡単に示してみました。ただしそこでの議論は、具体的な例にそくしてなされ…

竹田青嗣の著作案内をおこなっています

ウェブ本棚サービス「ブクログ」で、竹田青嗣の著作に関するまとめを公開しました。まだ作成の途中ですが、順次更新していく予定です。 竹田の思想に興味をもった方への手引きになれば幸いです。

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (9)

前回は、小浜とフェミニズムのあいだでなされた議論を手がかりにして、彼の実存的な立場が抱え込むことになる問題点を見定めてきました。そこでわれわれは、小浜の主張する実存的なエロス原理は、論議的な(diskursiv)意味における〈妥当性〉をもつことはでき…

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (8)

前回は、竹田がフェミニズムからの問題提起に対してどのようなスタンスをとっていたのかということを見てきました。そこでのねらいは、具体的な局面を設定することで、ポストモダン思想などによる「先構成批判」に対して竹田がおこなっている反批判の問題点…

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (7)

前回、竹田欲望論と岸田唯幻論の違いについて検討をおこなったところで、あくまでも「意識の水面」に定位しようとする竹田の立場が、現象学に対してくり返し投げかけられてきた「先構成批判」に対する竹田の反批判にも通じているのではないかと述べておきま…

当ブログが紹介されました

「四畳半大学 宮国研究室」というサイトで、当ブログの「竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く」という記事を紹介していただきました。なんだか退路を断たれてしまったみたいで、どうしても結論にまでたどり着かないといけないような気が……。 (「四畳半大学 …

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (6)

前回は、竹田のハイデガー解釈を概観しながら、「欲望論」ないし「エロス論」と呼ばれる彼の立場の根幹にある考えについて検討しました。竹田は、こうした立場に基づく実存的な観点から、さまざまな問題について考察をおこなっています。そこで、ほんの一部…

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (5)

「竹田現象学」ないし「竹田欲望論」と呼ばれている思想の構築にもっとも大きな影響のあった哲学者はいうまでもなくフッサールですが、ハイデガーもそれに劣らず重要な哲学者です。竹田は「フッサールが示した認識論上の限界点という現象学のモチーフを、最…

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (4)

前回の最後で、竹田がフッサールに対する「先構成的批判」への反論を試みていたことに触れました。「先構成的批判」とは、還元によって確保される純粋意識は、いっさいの認識の絶対的な源泉なのではなく、それを可能にしている先行条件が存在するはずだとい…

自己啓発書を読み解く (1)

谷本真由美の『キャリアポルノは人生の無駄だ』は、自己啓発書にハマる人びとが陥っている問題を鋭く指摘した本です。 キャリアポルノは人生の無駄だ (朝日新書) 作者: 谷本真由美(@May_Roma) 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2013/06/13 メディア: …

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (3)

前回は、竹田のフッサール解釈について、とくにその「方法的独我論」という規定について、簡単に見てきました。今回も引きつづいて、竹田のフッサール解釈を概観することにします。なおその際、従来の現象学理解はひどい誤解に覆われていると竹田がくり返し…

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (2)

今回は、主として『現象学入門』(NHKブックス、1989年)によりつつ、彼の現象学解釈、とくに「現象学的還元」についての解釈を概観していくことにします。 現象学入門 (NHKブックス) 作者: 竹田青嗣 出版社/メーカー: 日本放送出版協会 発売日: 1989/06 …

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (1)

『現象学入門』(NHKブックス、1989年)や『ニーチェ入門』(ちくま新書、1994年)など、数多くの哲学の入門書を執筆している竹田青嗣は、難解な哲学の議論をわかりやすいことばに噛み砕いて説明することで多くの読者の支持を得ています。その一方で、彼…

サブカルチャー批評を読み解く (5)

前回は、『動物化するポストモダン』において東浩紀が意図的に「セクシュアリティ」の問題を回避していることに触れ、さらにササキバラ・ゴウの『〈美少女〉の現代史』を参照しながら、サブカルチャーにおける「セクシュアリティ」の問題について考察しまし…

サブカルチャー批評を読み解く (4)

現在から振り返ってみるとき、東浩紀の『動物化するポストモダン』はその後のサブカルチャー批評の隆盛の礎を築いた記念碑的な著作といえるのではないかと、私は考えています。しかし、その後のサブカルチャー批評のなかで突っ込んで論じられることになった…

サブカルチャー批評を読み解く (3)

前回につづいて、東浩紀の『動物化するポストモダン』の議論を簡単にたどっていきます。この本の第2章で東は「二つの疑問」を提出していました。今度は(2)の問いをめぐる東の議論を見ていくことにします。 前回も引用しましたが、ここでもう一度、東の掲…

サブカルチャー批評を読み解く (2)

以下では、『動物化するポストモダン』での東浩紀の主張を、簡単に振り返ってみたいと思います。 この本は3つの章で構成されていますが、中心となるのは第2章「データベース的動物」です。この章の冒頭で、東は「二つの疑問」を掲げています。 (1)ポス…

サブカルチャー批評を読み解く (1)

2001年に刊行された東浩紀の『動物化するポストモダン―オタクから見た日本社会』(講談社現代新書)は、刊行から14年が経った現在、どのように読まれうるのかということを、何回かに分けて考えてみたいと思っています。 動物化するポストモダン オタクから見…