雑考 IV

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (6)

前回は、竹田のハイデガー解釈を概観しながら、「欲望論」ないし「エロス論」と呼ばれる彼の立場の根幹にある考えについて検討しました。竹田は、こうした立場に基づく実存的な観点から、さまざまな問題について考察をおこなっています。そこで、ほんの一部…

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (5)

「竹田現象学」ないし「竹田欲望論」と呼ばれている思想の構築にもっとも大きな影響のあった哲学者は言うまでもなくフッサールですが、ハイデガーもそれに劣らず重要な哲学者です。竹田は「フッサールが示した認識論上の限界点という現象学のモチーフを、最…

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (4)

前回の最後で、竹田がフッサールに対する「先構成的批判」への反論を試みていたことに触れました。「先構成的批判」とは、還元によって確保される純粋意識は、いっさいの認識の絶対的な源泉なのではなく、それを可能にしている先行条件が存在するはずだとい…

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (3)

前回は、竹田のフッサール解釈について、とくにその「方法的独我論」という規定について、簡単に見てきました。今回も引き続いて、竹田のフッサール解釈を概観することにします。なおその際、従来の現象学理解はひどい誤解に覆われていると竹田が繰り返し主…

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (2)

今回は、主として『現象学入門』(NHKブックス、1989年)によりつつ、彼の現象学解釈、とくに「現象学的還元」についての解釈を概観していくことにします。 現象学入門 (NHKブックス) 作者: 竹田青嗣 出版社/メーカー: 日本放送出版協会 発売日: 1989/06 …

竹田青嗣の現象学と欲望論を読み解く (1)

『現象学入門』(NHKブックス、1989年)や『ニーチェ入門』(ちくま新書、1994年)など、数多くの哲学の入門書を執筆している竹田青嗣は、難解な哲学の議論を分かりやすい言葉で噛み砕いて説明することで多くの読者の支持を得ています。その一方で、彼の…