雑考 I
前回は、『動物化するポストモダン』において東浩紀が意図的に「セクシュアリティ」の問題を回避していることに触れ、さらにササキバラ・ゴウの『〈美少女〉の現代史』を参照しながら、サブカルチャーにおける「セクシュアリティ」の問題について考察しまし…
現在から振り返ってみるとき、東浩紀の『動物化するポストモダン』はその後のサブカルチャー批評の隆盛の礎を築いた記念碑的な著作といえるのではないかと、わたくしは考えています。しかし、その後のサブカルチャー批評のなかで突っ込んで論じられることに…
前回につづいて、東浩紀の『動物化するポストモダン』の議論を簡単にたどっていきます。この本の第二章で東は「二つの疑問」を提出していました。今度は(2)の問いをめぐる東の議論を見ていくことにします。 前回も引用しましたが、ここでもう一度、東の掲…
以下では、『動物化するポストモダン』での東浩紀の主張を、簡単に振り返ってみたいと思います。 この本は三つの章で構成されていますが、中心となるのは第二章「データベース的動物」です。この章の冒頭で、東は「二つの疑問」を掲げています。 (1)ポス…
2001年に刊行された東浩紀の『動物化するポストモダン―オタクから見た日本社会』(講談社現代新書)は、刊行から14年が経った現在、どのように読まれうるのかということを、何回かに分けて考えてみたいと思っています。 動物化するポストモダン オタクから見…